カラスミとは、塩漬けにしたボラ等の卵巣を乾燥させた高級珍味。凝縮された旨味と磯の香りが魅力ですが、クセが強いため、ワインとの相性はなかなか難しいものがあります。ここでは、カラスミに合うワインをいくつかご紹介します。
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ
イタリアではカラスミは「ボッタルガ」と呼ばれていますが、そのボッタルガの名産地がサルデーニャ島。そのサルデーニャの名物ワインで、ボッタルガと合わせる定番とされているのが「ベルナッチャ・ディ・オリスターノ」です。酸化熟成させているために複雑な独特の風味があり、カラスミの強い風味にも負けず、ほんのりとある潮の香りがカラスミとのよい接点になっています。
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ/アッティリオ・コンティニ
(ヴェルナッチャ・ディ オリスターノを代表する造り手。なんと10年熟成)
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シェリー(マンサニーリャ)
前項で紹介したベルナッチャ・ディ・オリスターノですが、実は味わいはスペインのシェリーにそっくり。それもそのはず、酸化熟成させる製法はまさにシェリーの製法そのもので、またベルナッチャというブドウ自体、スペインから伝わったものと言われています。と言うことは当然本家のシェリーもカラスミとは好相性。シェリーの中でも最も潮の香りが感じられる、マンサニーリャがおすすめです。
アルバリーニョ
上のベルナッチャ・ディ・オリスターノやシェリーは、たしかにカラスミに負けない個性を持っているのですが、ワイン自体がまたかなり個性的で、正直万人受けするものではありません。おそらく初めて飲む方の多くは「なんだこれは?」と驚くことでしょう。
そこで「もう少し普通のワインを飲みたい」という方におすすめするなら、スペインのアルバリーニョです。シェリー・マンサリーニャと産地は違いますが、やはり海に面した場所で造られるために潮の風味があり、黄色い果実や花などの華やかな香りはなかなか個性的です。それでもカラスミに比べるとバランス的には若干弱いので、カラスミはあまりクセのないものがよく、カラスミを一口かじって「意外と普通」と思ったら合わせるのがよいでしょう。
シャンパーニュ
シャンパーニュというと、発泡の爽やかな喉越しに注目されがちですが、実は他のワインと比べ旨味成分であるアミノ酸が多く含まれるワイン。カラスミの旨味とも多くの接点がある上に、泡が風味のクセを包み込んでくれます。熟成期間が長く味わいがより複雑になったものであればあるほど好相性です。
スパークリング日本酒
カラスミと合う「ワイン」を知りたい方には申し訳ないのですが、カラスミのような珍味系と合わせるには、「日本酒」が最もしっくりきます。米のご飯がどんな珍味とも合うように、米で作った日本酒の懐の深さは偉大です。そんな日本酒にシャンパーニュの華やかさを加えた「スパークリング日本酒」なら、ワイン好きの方も満足するのではないでしょうか。意外性があるので、パーティーやおもてなしの場でも受けること間違いなしです。