ブリアサヴァランとは、主にフランス・ノルマンディー地方でつくられる「白カビ系」のチーズ。柔らかく滑らかな口当たりから、「フレッシュチーズ」や「ソフトチーズ」に分類されることもあります。味わいはシンプルでおとなしく、例えるなら「甘くないレアチーズケーキ」のよう。より美味しく味わうには、合わせるワインも含め、ちょっと工夫が必要かと思います。ここでは、おすすめのブリアサヴァランの食べ方と、それぞれと相性のよいワインをご紹介します。
「そのまま食べる」⇒ ボルドー白
ボルドーの白は、主にソーヴィニヨンブランとセミヨンのブレンドで造られ、樽熟成するのが特徴。果実味、酸味、柑橘、ハチミツ、苦み、ハーブ香、樽香…などさまざまな要素があり、どれかが突出することなくバランスが取れているので、さまざまな料理に合います。
ブリアサヴァランと合わせると、樽香が実にいい味を出し、ブリアサヴァランにコーヒーやバニラの香りを与え、新たなチーズに生まれ変わります。チーズの本質を活かしたマリアージュではないかもしれませんが、ブリアサヴァランを美味しく食べられる、オススメの組み合わせです。
「フルーツコンポートと共に」⇒ 貴腐ワイン
さまざまなチーズに合う貴腐ワインですが、さすがにそのままのブリアサヴァランと合わせるとワインが強すぎる印象です。そこで、フルーツのコンポートに生クリーム感覚でブリアサヴァランを添えてみましょう。貴腐ワインとフルーツが調和しつつ、ブリアサヴァランの乳脂肪分が味わいにふくらみを与えてくれます。それでいてブリアサヴァランの酸味が効いて余韻はさっぱり。つい次のもう一口が進みます。
「黒コショウをかける」⇒ シラー
思い切ってブリアサヴァランに黒コショウをかけてみましょう。驚く方もいるかもしれませんが、「明治のカマンベールチーズ・ブラックペッパー入り」や「ブルサンのペッパー味」があるように、白カビまたは淡白なチーズと黒コショウはとても相性がよいのです。黒コショウが味の接点となり、シラー主体のスパイシーな赤ワインとよく合います。
「白コショウをかける」⇒ ゲビュルツトラミネール
黒コショウと同様に、白コショウをかけてもいけます。この場合は、白コショウやクミンなどの香りがあるゲビュルツトラミネールを合わせましょう。スパイシーな香りが調和しつつ、ゲビュルツのほのかな甘みが、ブリアサヴァランの生クリーム感を引き立てます。塩を一振りすると、甘みとスパイス感がいっそう際立つのでオススメ。
「味噌をつける」⇒ バローロ
かなりひねった「ちょい足し」ですが、味噌をちょっとつけて食べるのも旨いです。そもそも味噌とチーズは発酵食品同士で相性がよいもの。ブリアサヴァランと味噌を合わせると、ちょうど「クリームチーズの味噌漬け」のようになり、ほどよい塩気と味噌のコク、チーズのミルキー感とが相まって絶品の美味さです。是非お試しください!合わせるワインは、味噌を足すことによって熟成感が足される感じがあるので、バローロがおすすめです。