カレーとワインはとても合うものです。選ぶときの大まかなポイントとしては、赤にしても白にしてもフルーティー感の強いものがオススメで、多少甘いくらいでもよいでしょう。ただし、一言でカレーと言ってもさまざまなタイプがあり、タイプによって合うワインは若干異なります。ここでは、さまざまなタイプのカレーに合うワインをご紹介します。
貴腐ワイン
意外に思う方もいるかもしれませんが、貴腐ワインはカレーとよく合います。貴腐ワインのフルーティーな甘さが、カレーのスパイシーな辛さをまろやかにしてくれるのです。これはちょうど、カレーの付け合わせに、日本ではらっきょうや福神漬けが、インドでは「チャツネ」が添えられるのとよく似た感覚と言えるでしょう。ちなみに、イギリスの小説家ディック・フランシスのに「証拠」という作品の中では、主人公であるワイン商が、ソーテルヌに合う食べ物として、「カレー」「ブルーチーズ」「ハム」の3つを挙げています。
ゲビュルツトラミネール
ただし、いくら貴腐ワインがカレーと合うとは言っても、貴腐ワインの甘さは濃厚なので、さすがにガブガブ飲むことはできません。そこで、ほのかな甘さを残しつつ、もう少し気軽に、喉の渇きを潤しながら飲めるワインとしては、ゲビュルツトラミネールをおすすめします。ゲビュルツトラミネールというブドウ品種は、ライチの香りがあることが有名ですが、他にも、クミン、コリアンダーシード、ガラムマサラ、ホワイトペッパーなど白っぽいスパイスの香りがあります。そういったスパイスが使われるカレー、特にインドやタイのグリーン~イエローのカレーとよく合います。
ロゼスパークリング(ロゼワイン)
カレーに合うもう一つのタイプのワインがロゼワインです。ロゼであれば、グリーン、イエローからレッドのカレーまで幅広く対応し、特にトマトベースのカレーとよく合います。普通(スティル)のロゼワインもよいですが、スパークリングのロゼは、喉越しも爽やかで、辛さを癒しつつゴクゴク飲めるでしょう。画像は「スラ・ヴィンヤーズ」という、インドのワイナリーのロゼスパークリング。「世界に通用する」として名高いワイナリーで、製法はシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵。「地元の料理とワインは合う」というマリアージュの法則からもオススメできます。
ジンファンデル(プリミティーヴォ)
もちろん赤ワインもカレーに合わせることができます。赤ワインをカレーと合わせるときに気を付けたいポイントは、「タンニンが強すぎない(渋すぎない)ものがよい」ということ。濃すぎるタンニンは、カレーの唐辛子の辛さとぶつかり、辛さや苦みが強調されてしまうことがあります。そこでオススメなのが、アメリカのジンファンデル(イタリアのプリミティーヴォ)という品種。ほのかに口当たりが甘く、フルーティーな果実味に溢れ、酸味やタンニンは控えめ。カレーの後味をふくよかに昇華させてくれるでしょう。
シラーズ
上のジンファンデルの果実味をさらに濃厚にしたタイプの赤ワインが、オーストラリアのシラーズです。その果実味はまるでベリー系のジャムを煮詰めたかのよう。一般的にアルコール度数も14~15度と高く、飲み応えも抜群です。カレーの中でも、赤ワインをたっぷり使って牛肉をコトコト煮込んだような、「ビーフシチュー感の強い」欧風のカレーによく合うでしょう。
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