老若男女みんな大好きな枝豆。香りがよく旨みと甘みがたっぷりで、お酒のおつまみには欠かせませんね。枝豆に合わせるお酒と言うと、ビールを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はワインもよく合います。合わせるワインによってさまざまに違った魅力が引き出される枝豆は、むしろワイン向きの食材と言っても過言ではないでしょう。ここでは枝豆に合うワインをご紹介します。
ソーヴィニヨンブラン
枝豆に合わせるワインとして、個人的に最も気に入っているのがソーヴィニヨンブランです。そもそも枝豆とは、大豆がまだよく熟さない青いうちに収穫したもの。食品分類では、豆類ではなく緑黄色野菜になります。枝豆というと、その甘味・旨みが注目されがちですが、実は緑黄色野菜特有の良い意味での「青臭さ」が味わいの特徴でもあり、魅力でもあります。ソーヴィニヨンブランのハーブの香りはこの青い香りを引き出し、爽やかさというアクセントを加えて枝豆を味わうことができるでしょう。また、枝豆にハーブソルトをかけていただくのもおすすめです。
グリューナー・フェルトリーナ
枝豆の最もポピュラーな調理法と言えば「塩茹で」でしょう。塩茹でする理由としては、「味付けする」「甘味を引き出す」というのが大きいですが、あまり知られていないところでは「ミネラルの調和」があると思います。というのも、枝豆はカリウムやモリブデンなどのミネラルが豊富な食材。特に、カリウムと塩(=ナトリウム)は相性抜群の組み合わせなのです。そこで、ワインもミネラル感を強く感じるものを合わせてみましょう。ワインには実際カリウムを筆頭にさまざまな種類のミネラルが含まれており、塩茹でした枝豆をさらに奥深い味わいにしてくれます。
ミネラルが豊富なワインというと、リースリングもよいのですが、ここではおすすめしたいのはグリューナー・フェルトリーナです。ほのかな苦みを感じるミネラル感がありつつ、ハーブの香りも比較的しっかりあるグリューナーは、リースリングとソーヴィニヨンブランのいいとこ取りのような魅力があります。
甲州
ミネラル豊富なワインと言えば、日本ワインの「甲州」を忘れてはいけません。甲州の特徴は、後味に残るほのかな苦み。この苦みは主に甲州ブドウの果皮に由来しますが、一種のミネラルとも考えられます。リースリングやグリューナーとは系統の違うミネラル感ですが、やはり味わい全体に深みと奥行きを与えてくれます。また、甲州の優しくまろやかな果実味と酸味も、枝豆の甘みと好相性。日本のもの同士、甲州と枝豆を是非合わせてみてください。
スパークリングワイン(シャンパン製法)
「枝豆にはビールが一番」と思っている方におすすめしたいのがスパークリングワイン、特にシャンパン製法のものです。一つには、単純にビールに近い爽快な炭酸の飲み物だということがありますが、理由はそれだけではありません。枝豆の旨さの大きな要因はアミノ酸ですが、シャンパン製法のスパークリングワインには普通のワインよりも多くのアミノ酸が含まれており、アミノ酸の相乗効果でさらに旨さを感じるのです。
「シャンパン製法のスパークリングワイン」はもちろん「シャンパン(シャンパーニュ)」でもよいのですが、概して高価なので、庶民的な枝豆に合わせるなら、リーズナブルな「カヴァ」がおすすめです。
シャルドネ(樽熟成)
枝豆の食べ方というと塩茹でが最も一般的かと思いますが、フライパンで蒸し焼きにするにするのもおすすめです。茹でるよりも旨みが逃げず、ほどよく水分が抜けて旨みが凝縮し、さらには焼き目のついた皮の香ばしさが加わります。
このように蒸し焼きにした枝豆には、温暖な地域の樽熟成したシャルドネがよく合います。木樽の香りと枝豆の焼いた皮の風味とマッチすると共に、シャルドネのふくよかな果実味が枝豆の甘味をさらに引き立てます。