「ジビエ」とは狩猟によって得られたお肉の総称。よく知られたところでは鹿、猪、野ウサギ、雉、真鴨などがあります。独特の野性的な風味があり、ワインも同様に野性的な香りがある赤ワインが好相性です。以前の記事「鴨肉に合うワイン」でご紹介したワインとはどれも合いますが、今回はなるべくそれと被らないようにし、ややマニアックなものも交えながら、ジビエに合うワインをご紹介します。
シラー(コート・デュ・ローヌ)
ジビエに合うワインとしてまず名前を挙げなくてはいけないのがローヌのシラー主体のワインです。シラーの特徴である血やなめし皮などのワイルドな風味と、黒コショウのようなスパイシーな香りは、ジビエとは最高の相性。ローヌワインはシラーとグルナッシュのブレンドが多いので、なるべくシラーの比率が高めのものをおすすめします。
マディラン
フランスワインからもう一本、ボルドーのお隣、南西地方のマディランを選びたいと思います。南西地方は「森鳩のサルミソース」「子猪の煮込み」などのジビエ料理が有名な地域。タンニン豊富で力強く、いい意味で素朴さを感じるマディランは、これらのジビエ料理とよく合います。
ブルネッロ・ディ・モンタルチ-ノ
イタリアでもジビエは大変好まれており、トスカーナ地方では、「猪肉の串焼き(チンギアーレ・アッロ・スピエード)」という郷土料理があります。赤ワインの銘醸地トスカーナですので、これに合うワインはいろいろ考えられますが、中でも定番とされているのがブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。バローロ、バルバレスコと並ぶ、イタリア3大赤ワインの一つで、その濃厚さとタンニンの強さから、4年以上の熟成(2年以上の樽熟成)が必須とされている力強いワインです。
カンノナウ・ディ・サルデーニャ
イタリア・サルデーニャ地方は、「野ウサギのサルデーニャ風(レープレ・アッラ・サルダ)」が郷土料理として知られています。これに合わせる定番とされているのがカンノナウ・ディ・サルデーニャ。ボディはミディアムながら深みのある複雑な味わいで、シラーに通じる獣臭やスパイスの香りが魅力です。
モンテファルコ・サグランティーノ
イタリア・ウンブリア地方は、「山鳩の焙り焼き(パロンブ・アッラ・ギオッタ)が郷土料理として知られています。これに合わせる定番とされているのがモンテファルコ・サグランティーノ。果実味・タンニン共に豊富で凝縮感のあるフルボディで、飲み応え抜群。風味の強いジビエとの相性は抜群です。