最近は「餃子バル」のような、餃子とワインのマリアージュを売りにする店が増えてきました。考えてみると、餃子とは「肉に香味野菜と香辛料を混ぜて小麦粉の皮(=パスタ生地)で包んだ料理」ですので、ワインとの相性がよいのも納得。そう言えばイタリアのラビオリも餃子のようなものですし、また中華料理自体、フランスではワインと共に親しまれています。
そこで餃子に合うワインについてですが、実は、以前の記事「中華に合うワイン5選」で紹介しているワインは基本的に全て合います。特にタヴェルなどのロゼワインは鉄板なのですが、今回は極力それら以外からピックアップし、餃子に合うワインをご紹介します。
シャンパーニュ
赤坂見附に「Champagne & GYOZA BAR(www.instagram.com)」という「餃子とシャンパーニュ」のマリアージュをコンセプトにしたお店があります。「餃子にビール」「餃子にハイボール」が合うように、熱々の餃子と冷えた炭酸は好相性。スパークリングワインが合わないわけがありませんね。スパークリングの中でも特に高品質の「シャンパーニュ」には旨み成分が豊富に含まれており、餃子の旨味を引き立ててくれます。
ソーヴィニヨンブラン
最近のパクチーブームで「パクチー餃子」も一般的になってきました。これは決してぽっと出のアイディア料理というわけではなく、餃子の本場、中国では昔から「香菜餃子」を出す店は少なくなく、餃子とパクチーは合うものなのです。そしてそんなパクチーと抜群に合うのがソーヴィニヨンブラン。青々しい香りが共通しますし、またソーヴィニヨンブランは香り自体が豊かなので、ニラや香辛料などの強い香りとも釣り合い、その意味でも好相性です。
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ゲビュルツトラミネール
ソーヴィニヨンブランと系統は違うものの、やはり香りが華やかで餃子と合うのがゲビュルツトラミネールです。ゲビュルツはライチやバラなどの甘い香りが印象的ですが、他にも白コショウやクミン、コリアンダーシードなど白いスパイスの香りがあり、エスニックや中華料理全般と好相性。ほんのり甘い口当たりが豚肉の甘みを引き立てます。
ミネルヴォワ(シラー+グルナッシュ)
白いスパイスがゲビュルツなら、黒コショウ系の黒いスパイスの香りがするのがシラーという品種。シラーが含まれる赤ワインはいろいろありますが、青山の「GYOZA BAR Comme a Paris」に置いてあるのを見て、「なるほど」と唸らされたのが「ミネルヴォワ」。南仏ラングドック産のワインで、グルナッシュやシラーのブレンドで造られる、フルボディに近いミディアムボディのワインです。特にグルナッシュの八角や甘草など漢方っぽいニュアンスが出るものが多く、シラーの黒コショウの香りとも相まって、餃子とは絶好の相性。ボディの重さもほどよく、特にスパイスをたっぷり効かせた餃子や、牛肉や羊肉のミンチで作った餃子とはよく合います。価格が全般的にリーズナブルなのも魅力で、赤ワインと餃子を合わせたい方にはかなりオススメです。
赤のスパークリング
「餃子とスパークリングワインが合う」と前に述べましたが、やっぱり「赤ワインは飲みたい」という方も多いでしょう。それならば「赤のスパークリング」を選びましょう。辛口派の方はオーストラリアのシラーズのスパークリングがおすすめ。フランスの「シラー」ほどではありませんがスパイスの香りもあり、爽やかさと飲み応えを同時に楽しめます。甘口派の方やアルコールがあまり強くない方はイタリアのランブルスコがおすすめ。イチゴのような香りと優しい甘さで、ジュース感覚ながら食中酒としても十分いけるスパークリングです。