和食を象徴する調味料である味噌・醤油には、ワインを合わせるのは難しいという説があります。たしかに味噌・醤油は風味にインパクトがあるので、その風味が前面に出た料理には、合わせるワインに注意が必要です。ここでは、味噌・醤油に合うワインについてご紹介します。
メルロー
味噌・醤油の風味の特徴の一つは、発酵・熟成による特有の風味です。この風味は土や枯葉の香りに通じるものがあり、ワインにもそのような香りがあるものが合います。その一つがメルローというブドウ品種です。メルローは若いうちから土の香りが出やすい品種で、熟成してくるとさらにそれが強くなります。一般に果実味も豊かなので、味噌煮込みなど濃いめの料理と好相性です。
ピノノワール
土・枯葉の香りと言えば、もう一つよく知られているのがピノノワールです。特に枯葉や紅茶などの香りが強く、こちらも若いうちからその香りが出やすいですが、熟成するにつれその香りは増していきます。ただしこちらはメルローよりもボディが軽く繊細なので、料理の味付け自体は薄めのほうがよいでしょう。
おすすめのピノノワールは多数あるのですが、ここであえてご紹介したいのは、コノスルのオーガニック。熟成感はあまりないものの、オーガニックならではの土の香りがしっかりしており、これが1000円未満というコスパはかなり評価できます。
リオハの赤(グラン・レセルバ)
上記2つのワインは、品種自体に土・枯葉の香りが出やすいというものですが、ワインはどれも熟成するにつれそのような香りが出てきます。要は年代ものの熟成したワインを買えばよいのですが、そういったワインは探すのが大変だったり、高価すぎたりという問題があります。そこで、おすすめなのがスペイン・リオハのワイン。特に「グラン・レセルバ」というクラスのワインは、なんと最低5年の熟成、うち18ヶ月の樽熟成が義務付けられており、それでいて値段はかなりリーズナブル。熟成感のあるワインを飲みたいときには大変重宝します。
ブルネッロ・ディ・モンタルチ-ノ
イタリアワインで熟成感のあるものを探すならブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。バローロ、バルバレスコと並ぶ、イタリア3大赤ワインの一つで、こちらは4年以上の熟成、うち2年の樽熟成が義務付けられています。また、熟成期間の規定自体はブルネッロよりも短いですが、バローロやバルバレスコも土や枯葉の香りが出やすいのでおすすめです。
シャンパーニュ
味噌や醤油は風味が強く、その濃い色合いからも赤ワインが合いやすいのはたしか。しかしが数は少ないですが味噌・醤油に合う白ワインもあります。それがシャンパーニュです。シャンパーニュは、酵母(澱)と長期間接触して醸造されるため、他のワインよりも旨味成分であるアミノ酸がはるかに多く含まれています。アミノ酸といえば、味噌や醤油にも多く含まれている、和食に欠かせない成分。シャンパーニュと味噌・醤油はとても相性がよいのです。シャンパーニュと言うと、発泡による爽やかな喉越しに意識が向きがちですが、是非その旨味に注目して味わってみてください。
とは言え、シャンパーニュは赤ワインよりも繊細で酸味も豊か。料理も、酢味噌やゆず味噌など、酸味をちょっと足した薄めの上品な味付けのほうがより合います。
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