意外に思う方もいるかもしれませんが、お好み焼きとワインはとても相性がよいです。キーになるのはお好みソース。お好みソースにはさまざまなスパイス入っていて赤ワイン的要素が強いので、赤ワインとよく合います。またソースは甘味と酸味が際立つ味わいなので、ワインも同じように果実の甘みと酸味が両立するフルーティーなタイプがよいでしょう。高級である必要はありません。お好み焼きは気軽に楽しむ食べ物ですので、ワインもいわゆる「安旨」なものが似合いいます。ここでは、お好み焼きに合う1000円以下のワインをご紹介します。
デ・ボルトリ(DB)・シラーズ・カベルネ
オーストラリアの「シラーズ」はとても果実味が豊かな品種で、ボリューム感のある素晴らしいワインができるのですが、ことお好み焼き(お好みソース)に合わせるとなると、酸味がやや足りない印象を受けます。そこでオススメなのが「DB」の「シラーズ・カベルネ」です。シラーズに加えて、酸味豊かでスパイシーなカベルネソーヴィニヨンをブレンドすることによって、果実味・酸味・スパイシーさが絶妙なバランスに仕上がっています。近所のスーパーに売っていることもあって、管理人自身が「家お好み」に最も愛用しているワインです。
エストラテゴ・レアル・ティント
最近は都内のお好み焼き屋でもワインを出す店が増えてきました。管理人が今まで見聞きした範囲では、お好み焼き屋のワインのラインナップには、スペインワインが多い印象を受けます。一つにはスペインワインのコスパが高いことがその理由かと思いますが、コスパだけの話だったら、むしろチリワインのほうが優れているはず。ではなぜスペインワインがお好み焼き屋で好まれるかということを考えてみると、スペインで最もポピュラーなテンプラニーリョというブドウ品種によるところが大きいのではないかと思います。テンプラニーリョの特徴を一言で言うことは難しいのですが、いわゆる「安旨」のカテゴリーに入るワインに関しては、濃厚な果実味の中にほどよい酸味とスパイシー感があり、これがまさにお好みソースによく似たバランスなのです。安旨テンプラニーリョだったらお好み焼きと合わせてたいてい外すことはありませんが、各種メディアで絶賛されている「エストラテゴ」は特におすすめの一本です。
カスターニョ・モナストレル
こちらもスペインワインですが、「モナストレル」というブドウ品種を知っている方はかなりのワイン通です。フランスでは「ムールヴェードル」と呼ばれている品種で、非常に栽培が難しいのですが、無事に育った暁には果実味・酸味・渋み全ての要素が高レベルの素晴らしく力強い赤ワインができます。もちろんお好み焼きとも好相性。より濃いめのワインが好きな人にオススメです。ご紹介しているカスターニョは、古くからモナストレルを主要品種にしたワイン造りをしており、ロバート・パーカーに 「こんな安いワインにこんな高得点を付けることは考えもしなかった」と言わしめた造り手です。
コノスル・シラー・ヴァラエタル
チリワインは全般的に果実味と樽香が強く、酸味は控えめ、という傾向があります。お好み焼きに合わせるときは、比較的酸味が豊かなものを選ぶのがよいでしょう。高コスパワインの代名詞的存在「コノスル」の中から選ぶなら「シラー」です。酸味は南仏のシラーよりは穏やかですが、コノスルの「カベルネ」や「メルロー」よりはしっかり。シラーの持ち味であるスパイシーさに関しては南仏に引けをとりません。お好みソースのスパイシーさと調和し、味わいに深みが出てきます。
レ・グロッテ・レッジャーノ・ランブルスコ・ロッソ・セッコ
ちょっと変わり種で面白いのは、赤のスパークリングです。お好み焼きとビールの関係を考えてみても分かるように、よく冷えたスパークリングワインの爽やかな泡立ちは、アツアツのお好み焼きと相性抜群。ここまでご紹介してきたように、赤ワインはお好みソースと接点がありますので、「赤ワインのスパークリング」こそお好み焼きに最適な飲み物かもしれません。オススメはイタリアの「ランブルスコ」です。甘口~半甘口(ドルチェ~アマービレ)が有名ですが、お好み焼きと合わせるなら半辛口の「セッコ」がよいでしょう。甘味と酸味のバランスがほどよく、ソースの味を引き立て、後を引く味わいです。
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