ラタトゥイユとは、フランス・プロヴァンス地方の郷土料理で、夏野菜のトマト煮込みのこと。ワインとの相性はロゼワインが定番とされますが、果実味のしっかりした白や、ミディアムボディの赤ワインを合わせるのも悪くありません。ここでは、プロヴァンスのワインに限定して、ラタトゥイユに合うワインをご紹介します。
プロヴァンス・ロゼ
冒頭でも触れましたが、ラタトゥイユの定番とされているのがロゼワインです。それもそのはず、プロヴァンス地方で生産されるワインはなんと8割がロゼワイン。当然ラタトゥイユのみならずプロヴァンス料理全般と相性がよく、特にトマトと共に煮込んだラタトゥイユはその色合いからも風味からも、プロヴァンスのロゼとの相性は抜群です。
バンドール・ロゼ
プロヴァンス地方を代表するワインに「バンドール」があります。濃厚な赤ワインが有名で、子羊モモ肉のグリエ「ジゴー・ダニョー」に合わせるのが定番ですが、さすがにラタトゥイユに合わせるには重すぎる印象です。そこでおすすめしたいのが「バンドールのロゼ」。バンドール赤の果実味とスパイシー感をほどよく備え、アルコール度数も高めで飲み応えがあります。
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ロゼ・スパークリング
暑い夏に美味しいラタトゥイユですので、よく冷えたロゼのスパークリングもオススメです。画像のフリュッテル ・ヴァン・ムスー・ロゼは、 可愛いハートマークが印象的ですが、見た目とは裏腹に、酸味とスパイシー感の立った辛口ロゼ。その可愛さゆえ、ギフトや手土産にも喜ばれます。
プロヴァンス産の白
ここまでご紹介してきたように、ラタトゥイユにワインを合わせるなら、ストライクゾーンのど真ん中はロゼワインですが、実は白ワインも合います。白ワインに合う理由は、ラタトゥイユに加えるタイムやローリエなどの香草類が、香りの接点になるということ。且つ、煮込んでいる料理なので、ワインにもある程度の凝縮感があるものがよく合います。
プロヴァンス産の赤(ミディアムボディ)
ラタトゥイユのストライクゾーンの低めいっぱいが白ワインなら、高めいっぱいがミディアムボディの赤ワイン。と言っても、プロヴァンスはロゼと白が有名な地域で、赤はあるとすれば濃いものが多く、ミディアムの赤はあまり造られていません。そんな中、数少ない優れたミディアムの赤がラウル・クレルジェのピノノワールです。ニューワールドらしい果実味とブルゴーニュの上品さを兼ね備え、飲み口はいい意味で軽やか。ちょっと煮詰めたトマトに通じる風味があり、ラタトゥイユに合わせるのにうってつけです。