クリスマスシーズンに定番のドイツの菓子パン「シュトーレン(シュトレン)」。ドライフルーツやナッツが練り込まれており、ワインともよく合います。ワインを合わせるなら、是非甘口ワインを合わせましょう。甘口ワインは苦手と言う方もいるかもしれませんが、どんな甘口でもワインには酸味があるので、シュトーレンと合わせると、意外に甘ったるくなく、後味すっきりとした味の調和を楽しむことができます。ここではシュトーレンに合うワインをご紹介します。
リースリング(甘口)
シュトーレンと言えばドイツ。ドイツの甘口ワインと言えばリースリングです。冒頭でもご紹介したように、甘口ワインとは言っても、ワインには酸味があるので、甘いお菓子と合わせても意外と甘くは感じないものです。特にリースリングは全てのブドウの中でも酸味が豊かな品種。シュトーレンと合わせると、レモンを思わせる酸味が甘味の中のアクセントになると共に、後味をすっきりさせてくれます。
シャンパーニュ(甘口)
スパークリングワインの最高峰「シャンパーニュ」は辛口が主流ですが、実は甘口もあります。フランス最北のワイン産地であるシャンパーニュは冷涼なのでブドウは酸味が豊か、また酵母と長期間接触して造られるため旨み(アミノ酸)がたっぷり含まれるワインです。もちろんシュトーレンともよく合います。是非「泡」と「甘さ」以外に、「酸」と「旨み」にも注目して甘口シャンパーニュを味わってみてください。
また、シャンパーニュの華やかさはクリスマスの雰囲気にもピッタリです。一般的な白のシャンパーニュもよいですが、ロゼならさらに華やかさが増すでしょう。華やかさだけでなく、ロゼの場合、赤い果実の風味がシュトーレンのレーズンとも寄り添います。
モエ・エ・シャンドン・ネクター・アンペリアル(白/ロゼ)
(「ネクター」の名の通りほのかに桃が香る。スパイス感もありシュトレーンによく合う)
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シェリー(クリーム)
ちょっとひねったところでは、甘口のシェリーも魅力的です。甘口のシェリーにもいろいろなタイプがありますが、おすすめは、酸化熟成した辛口の「オロロソ」と、極甘口の「ペドロヒメネス」をブレンドした「クリーム」と呼ばれるタイプ。オロロソ特有のナッツやカラメルなどの奥深い風味と、ペドロヒメネスのドライフルーツのような甘味が、シュトーレンのナッツやレーズンとぴったりマッチします。そのまま飲むのもよいですが、氷を入れたオン・ザ・ロックも定番の飲み方です。
ピノー・デ・シャラント
さらにもうひとひねりして、珍しもの好きの方は是非ピノー・デ・シャラントを試してみて下さい。ピノー・デ・シャラントとは、発酵前の甘いブドウ果汁にブランデー(コニャック)をブレンドして熟成させた酒精強化ワインの一種。まさにワインとブランデーのいいとこ取りをしたような甘口ワインで、特に材料にブランデーを使用したシュトーレンと最高の相性です。白とロゼがあり、どちらもシュトーレンには合いますが、個人的にはロゼが好みです。
グリューワイン(ホットワイン)
寒い冬は、温かいグリューワイン(ホットワイン)を飲むと体も心も温まります。実際、ドイツのクリスマスシーズンは、グリューワインとシュトーレンを合わせて楽しむのが一つの定番です。グリューワインの作り方は簡単。安いワインや飲み残しのワインを火にかけ、砂糖やハチミツ、シナモンやクローブなどお好みのスパイスを加えて、沸騰させない火加減で温めるだけ。それでも、自分で作るのは面倒という方は、できたものを買ってしまいましょう。カップに注いでレンジでチンするだけでグリューワインが楽しめます。