メキシコを代表する料理「タコス」。タコスミートなどの肉、レタスやトマトなどの野菜をトルティーヤで挟んだもので、日本でもパーティー料理として人気が高まっています。飲み物を合わせる場合、本場メキシコならコロナやマルガリータを合わせるところでしょうが、ワインを合わせても美味しくいただけます。
ただし、ワインを合わせる際は、渋み(タンニン)の強すぎないものを選ぶよう注意してください。タコスの具材やソース(サルサ)には辛い味付けのものが多く、あまり渋みの強いワインを合わせると、辛みが増幅されたり、不快な苦みが感じられたりすることがあります。それさえ気を付ければ大きく外すことはないはずですが、ここではもう少し具体的に、タコスに合うワインをご紹介します。
ソーヴィニヨンブラン
タコスの具材には野菜を挟むことが多いですが、中でも代表的な具材の一つにワカモレがあります。一般的なレシピとしては、アボカドをつぶして、ライム(レモン)汁を絞り、たまねぎ、トマト、青唐辛子、パクチーのみじん切りを加えて和える、といったものでしょう。これらの材料から真っ先に思い浮かぶのはソーヴィニヨンブランです。ソーヴィニヨンブランの大きな特徴である青々しい香りは、ワカモレに使われる全ての野菜と共通項があり、またもう一つの特徴である柑橘系の香りと酸味はライム(レモン)とばっちりマッチします。
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アルバリーニョ
タコスはメキシコ料理ですが、スペイン語文化圏ということもあり、同系統の陽性の雰囲気をまとったスペインの白もタコスにはよく合います。特におすすめなのはアルバリーニョです。フローラルで華やかな甘い香りが印象的なのですが、飲んでみるとこれが意外な酸味豊かなすっきり辛口。柑橘の風味もあり、タコスのライムとも調和します。また、アルバリーニョは潮風や磯の香りを思わせるミネラルの風味も特徴なので、白身魚を挟んで食べるフィッシュタコスと合わせると最高です。
スパークリングワイン(カヴァ)
タコスを食べるときはパーティーになることも多いかと思います。パーティーの楽しい雰囲気には、スパークリングワインの華やかさがパーティーに花を添えてくれるでしょう。もちろん雰囲気だけの問題ではありません。瓶内二次発酵という手間のかかる製法で造られるスパークリングワインには旨味成分が多く溶け込んでおり、タコスのさまざまな具材とも幅広く寄り添います。瓶内二次発酵の代表選手はフランスのシャンパーニュですが、スペインにもカヴァという素晴らしい瓶内二次発酵のスパークリングワインがあります。
ピノノワール
タコスには、ひき肉をトマトケチャップとスパイスなどで味付けした、いわゆる「タコスミート」を挟んで食べるのが一般的です。接点をこのタコスミートに寄せるなら、ワインはミディアムボディの赤、例えばピノノワールを合わせるとよいでしょう。ピノノワールと言えばフランス・ブルゴーニュが本場ですが、タコスに合わせるなら、カリフォルニアやオレゴンなどのアメリカ産をオススメします。ブルゴーニュ産よりも赤系果実の凝縮感や樽の香りに由来する甘みを感じるアメリカ産はケチャップと好相性。スパイス感も強く、タコスミートのスパイスともマッチします。
ジンファンデル
ひき肉ではなく、細切りの肉や、煮込んだ肉やモツなど、より「肉」感の強い肉を挟む場合、ワインはピノノワールよりも濃いめでボディのある赤が欲しくなります。かと言って、冒頭でも述べた通り、あまり渋みの強いものはオススメできません。そこでうってつけなのがジンファンデルです。ピノノワールよりも果実味豊かで濃厚、ほどよいスパイス感はありますが、渋みはまろやか。甘いニュアンスがあるので、甘辛い味付けの肉と好相性です。また概してアルコール度数が高いので飲み応えもあり、より満足感の高いマリアージュを楽しめるでしょう。