海外でクリスマスのディナーと言えば、ローストした七面鳥(ターキー)。日本ではあまり一般的ではないですが、大型のオーブンがある方は是非試してみてください。見た目は大がかりですが、ほぼオーブンに入れっ放しで完成するという実は簡単な料理です。
七面鳥は、要は鶏肉の一種ですので、ワインとの相性は鶏肉と同じと考えて差し支えありません。鶏肉のようなクセがない食材は、味付けの違いによって、合うタイプのワインは変わってきます。
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それでも、一般的な鶏肉と比べると、より身が締まっていて肉自体の味が濃いので、ワインも、より力強いものが望ましいとは言えます。また、結構なご馳走になりますので、雰囲気的にも、ちょっと奮発して高価なワインのほうがバランスが取れるでしょう。ここでは、味付けの違いと、クリスマスディナーの雰囲気を考慮した、七面鳥に合うワインをご紹介します。
ソーヴィニヨンブラン
七面鳥はどんなレシピであれ、ローズマリー、タイム、オレガノ、セージ等々、何かのハーブを使うはずです。全体的な味付けはシンプルに、ハーブの風味が前面に出る味付けにするなら、ハーブの香りが爽やかなソーヴィニヨンブランが好相性です。酸味も豊かなので、七面鳥に添えるレモンと同じような働きをしてくれます。
ムルソー(樽熟成したシャルドネ)
七面鳥の表面には、バターやはちみつを塗ってローストするレシピも一般的です。バター、はちみつと来れば、思い浮かぶワインは樽熟成したシャルドネ。中でもムルソーがぴったり来ます。木樽の香りもしっかりあるので、ちょっと焦げ目がついたくらいの七面鳥のローストした香りと絶妙にマッチします。
ピノノワール
七面鳥に添えるソースはグレービーソースが一般的ですが、オレンジソースも美味しくいただけます。グレービーソースにもさまざまなレシピがありますが、特に赤ワインを加えたグレービーソースや、オレンジソースには、ミディアムボディの赤ワインがよく合います。おすすめはブルゴーニュのピノノワールで、中でも濃いめで力強い造りをする造り手のものがおすすめです。
シャンパーニュ(白/ロゼ)
クリスマスの華やかな雰囲気に最も似合うワインは、やはり「シャンパーニュ(シャンパン)」ではないでしょうか。シャンパーニュというと、乾杯で飲む爽やかなワインというイメージがあるかもしれませんが、実は深いコクがあり、前菜のみならず、七面鳥などメインの肉料理まで対応する力強さを併せ持っています。メイン料理と合わせるときは、細長いフルートグラスではなく、大ぶりの丸いグラスで味わうことをおすすめします。
「シャンパーニュ」と名の付くワインはどれも高品質で大きく外すことはありませんが、たまにはこだわって選んでみてはいかがでしょうか。白ブドウのシャルドネのみで造られた「ブラン・ド・ブラン」は、豊かな酸とミネラル、ハーブやハチミツのニュアンスが魅力。すでにご紹介したソーヴィニヨンブランやムルソーなどの白ワインとのマリアージュを求めている方におすすめです。
一方、赤ワイン好きの方には、ピノノワール100%のロゼシャンパーニュがおすすめです。果皮の色素をしっかり抽出したロゼは、ほどよい渋みとベリーの果実味があり、シャンパーニュでありながら赤ワインの味わいを楽しめます。
シャトーヌフ・デュ・パプ(グルナッシュ主体)
七面鳥のソースとしてもう一つ有名なのがクランベリーソースです。クランベリー自体は酸味の爽やかな果実ですが、煮詰めてソースにすると凝縮感が出るので、ピノノワールではちょっと軽すぎる印象があります。そこでおすすめしたいのが、グルナッシュ主体の赤ワイン、中でもちょっとゴージャス感のある「シャトーヌフ・デュ・パプ」です。ジャミーな果実味のあるグルナッシュの他に、スパイシーなシラーなどをブレンドしたこのワインは、スパイスをしっかり効かせた七面鳥&クランベリーソースとバッチリ調和します。