ケーキに合うワイン5選
「ケーキに合うワイン」を検索する人は多いようです。しかしケーキとワインの相性を一言で説明することは簡単ではありません。なぜなら、同じ「ケーキ」でも、例えば「ショートケーキ」と「チョコレートケーキ」では材料から味わいから全く異なり、当然ワインとの相性も変わってくるからです。
そこで、ここでは日本人に人気のケーキのベスト5、「チーズケーキ」「ショートケーキ」「モンブラン」「チョコレートケーキ」「アップルパイ」について、それぞれ合うワインをご紹介したいと思います。
ちなみにご紹介するワインは全て甘口です。「甘いものに甘いワインを合わせるなんて…」と思う方もいるかもしれませんが、実はこれがよく合うのです。どんな甘口ワインでもワインには酸味があるので、合わせてみると意外にワインの酸味が際立ち、味を引き締める効果があります。また、違う種類の甘さ同士が出会うことによって、味のふくらみが増します。甘口ワインが苦手という方も、騙されたと思って是非試してみてください。
チーズケーキ ⇒ リースリング甘口
チーズケーキのレシピでは通常レモン汁を加えます。これは、チーズケーキの濃厚な甘さに爽やかな酸味を加えることで味を引き締める効果があるからです。また、そもそもチーズには多かれ少なかれ酸味があるものなので、チーズ自体、酸味と相性がよいということも言えるでしょう。
そこで、合わせるワインもレモンに似た風味のある酸味豊かなものを選んでみましょう。一番のおすすめはリースリングです。リースリングは柑橘の風味のある豊かな酸味とミネラルが特徴の品種で、甘口でも甘ったるくなく、一本芯の通った品の良い甘さが魅力です。
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ショートケーキ ⇒ ロゼ・ダンジュ
ショートケーキはシンプルなケーキです。スポンジと生クリームがメインで、バランス的にはイチゴは単なるアクセントと言ってもよいでしょう。しかしそのイチゴこそがショートケーキの魅力で、ワインと合わせるときにも重要なキーになります。おすすめは、半甘口のロゼワイン「ロゼ・ダンジュ」です。優しい甘さと酸味があり、香りにほんのりイチゴを感じるロゼ・ダンジュはイチゴ系スイーツと相性がよく、色合いや甘さのバランス的にもショートケーキとは抜群の相性です。
モンブラン ⇒ ピノ・グリ甘口
モンブランの魅力は、マロンペーストのほっこりとしたまろやかな甘みと、渋皮から来るほのかな渋み。また 栗は果物の中では酸味が少ないということも考慮して、ワインにもこれらの共通項があるものを考えます。しっくりくるのはピノ・グリです。比較的酸味が穏やかで、ハチミツを思わせる甘みと、心地よい苦みがあるピノグリは、マロンペーストの味わいと調和し、モンブランの味わいに深みと華やかさを加えてくれるでしょう。
チョコレートケーキ(ガトーショコラ) ⇒ バニュルス
甘口ワインにもいろいろありますが、チョコレートケーキに合うのは、断然「赤の甘口」です。ポイントはチョコレートに豊富に含まれるポリフェノール。赤ワインにはポリフェノールが含まれていますが、白ワインには含まれていないので、白の甘口をチョコレートに合わせるとワインが苦く感じられてしまうのです。
おすすめしたいのは、チョコレート合うワインの定番の一つとして有名な「バニュルス」です。赤ワインの発酵中にブランデーを加えて発酵を止め、ブドウの甘みを残しながら、ブランデーのアルコールとコクを残した甘口ワインです。濃厚な甘さと、樽に由来するチョコレートやモカのような芳醇な香りがあり、チョコレートケーキと最高の相性です。
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アップルパイ ⇒ シードル
アップルパイの美味しさのポイントはリンゴの酸味。あまり甘みが強いリンゴをつかうと味が締まらず、紅玉など生で食べると酸っぱすぎるくらいのリンゴをつかったほうが美味しくできるのです。
そんなアップルパイに合わせるワインは、リンゴで造ったスパークリングワイン「シードル」が間違いありません。特にフランス産のものがおすすめです。リンゴという共通項だけでも、アップルパイと合うことは想像できますが、フランスのリンゴは日本のリンゴより酸味が強く、爽やかな甘みがアップルパイの味を引き締め、バランスよく調和します。「ドゥミ・セック(半甘口)」程度の甘さがおすすめ。
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