カプレーゼに合うワイン5選
「カプレーゼ」とは、モッツァレラチーズ、トマト、バジルソース(バジル)でつくるサラダ。イタリア全土で好まれていますが、元々はイタリア南部のカンパーニャ地方の郷土料理です。ちなみにモッツアレラチーズもカンパーニャ州が原産です。
バジルとフレッシュトマトが爽やかな前菜ですので、ワインを合わせるなら白かロゼがオススメです(もし赤を合わせるなら軽めのタイプがよいでしょう)。イタリアの料理ですし、白・赤・緑という料理の配色的にも、やはりイタリアワインを合わせたくなります。ここでは、イタリアワインを中心に、カプレーゼに特に合うおすすめワインをご紹介します。
ソーヴィニヨンブラン
まず最初に、イタリアワインではありませんが、紹介しないわけにいかないのがソーヴィニヨンブランです。ソーヴィニヨンブランのハーブ香は、カプレーゼのバジルと鉄板の相性。ニュージーランド産は香りにトロピカルな華やかさがあり、カプレーゼが醸し出す明るい雰囲気にもピッタリです。
グレコ・ディ・トゥーフォ
カプレーゼは白ワインなら何でも合いますが、あえて合わせてみたいのは、カプレーゼの故郷カンパーニャ州の「グレコ・ディ・トゥーフォ」です。主要品種は地ブドウの「グレコ」で、火山灰(トゥーフォ)が多く含まれる土壌に由来する豊富なミネラル分が特徴。全体的に果実味と酸味のバランスがよく、若いうちに飲んでも美味しいですが、豊富なミネラルゆえに熟成に耐える力強さも備えています。
このミネラル分はトマトに塩をかけて食べるような効果があり、またトマト自体、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどミネラルが豊富なので、このワインとは本質的に好相性。「地元の料理とワインは合う」というマリアージュの原則はここでも生きています。
フランチャコルタ(シャンパーニュ製法のスパークリングワイン)
暑い夏に美味しいカプレーゼは、よく冷えた爽やかなスパークリングワインもよく合います。もちろん爽やかなだけではなく、シャンパーニュまたはシャンパーニュ製法のスパークリングは旨味もたっぷり。トマトの酸味・モッツァレラチーズのミルキーさと調和しつつ、さっぱりしたカプレーゼに旨味を加えます。イタリアでシャンパーニュ製法のスパークリングと言えば「フランチャコルタ」。シャンパーニュよりリーズナブルで、前菜のみならず、メイン料理にも対応する力強さがあります。
ロゼワイン
料理とワインのマリアージュの原則の一つに「色を合わせる」というものがあります。フレッシュトマトの酸味と爽やかな味わい自体は、本質的には白ワインと相性がよいのですが、トマトには赤い色素成分のリコピンが含まれていますので、トマトと最も相性のよいワインは白と赤の中間のロゼワインなのかもしれません。(※トマト煮込みなど、煮込むことで色も味も濃くなった料理には赤ワインも合います)
画像のロゼワインは、イタリアのロゼでは断トツの安旨おすすめワイン。名前の「チェラズオーロ」とは、さくらんぼ色を意味する「チェラーザ」に由来しています。その名の通りチェリーや、イチゴのような甘い香りがしますが、飲んでみると意外にすっきり辛口。時間が経つとトマトの香りも出てきて、カプレーゼとは好相性です。
ロゼ・スパークリング
カンパーニャ州には「タウラージ」というイタリアでも有数の偉大な赤ワインがあります。「地元の料理とワインは合う」という原則こそありますが、このワインはあまりにも力強く濃密で、さすがにカプレーゼと合わせるのは無理があります。そこで面白いのが、タウラージの主要品種であるアリアニコを使ったロゼのスパークリングです。トマトがロゼと相性がよいことはすでに述べましたが、このワインはアリアニコらしいスパイシーな香りがほんのり加わり、カプレーゼの仕上げに振りかける黒コショウと寄り添います。
ちなみにこのワインの生産者「ファンティーニ」は、今回の記事中、「グレコ・ディ・トゥーフォ」「チェラズオーロ・ダブルッツオ」に次いで三度目の登場。本拠地はアブルッツォ州なのですが、カンパーニャ州でも生産者協同組合を買収するなど、勢力を拡大しています。これからもどんどんコスパの高いワインを造り続けてほしいものです。