ミモレットに合うワイン5選
ミモレットは、鮮やかなオレンジ色が印象的なハード(セミハード)系のチーズ。フランスの最北フランドル地方のチーズで、オランダのエダムの製法を真似て造られたものと言われています。味わいは、よく知られている若いタイプ(6ヶ月程度)はあまりクセがなくマイルドですが、熟成するにつれ味が凝縮し、バターやナッツ、ドライフルーツなどさまざまな風味が現れてきます。22~24ヶ月熟成したものは、その色合いからカラスミに例えられることも。ちなみに、チーズのオレンジ色には、ベニノキという植物の種子から抽出された色素が使われており、これ自体は味に影響がありません(もちろん人体にも影響はありません)。
ワインとの相性は実に幅広く、白~赤、軽いものから重いものまで、ほとんどどんなワインでも合うと言ってよいでしょう。強いて言うなら、若いものには軽めのワイン、熟成したものには重めまたは甘口のワインが相性は良いですが、どんなワインでも異なるマリアージュを楽しめます。ここでは、管理人の好みで、ミモレットに合うワインを5つご紹介します。ここでは紹介していませんが、ベルギービールや日本酒とも合いますので、是非自分のオリジナルのマリアージュも試してみてください。
グリューナー・フェルトリーナ
若いミモレットにおすすめなのがグリューナー・フェルトリーナです。オーストリアを代表する白ワインで、柑橘系フルーツやハーブ、白コショウのような香り、ほのかな苦みがあるのが特徴です。全体的には爽やかで軽めのワインですが、実はさまざまな味の要素があるので、若いミモレットの味わいを引き出し、特にフルーティーさや苦みとよくマッチします。
シャルドネ(樽熟成)
樽熟成したシャルドネには、発酵の過程で生じるバターやヨーグルトなどの乳製品の香りと、木樽に由来するナッツやバニラの香りがあります。このタイプのワインは、12ヶ月程度熟成してナッツやバターの香りがよく出てきたミモレットとよく合います。
ボジョレー
ミディアムボディの赤ワインは、若いミモレットから熟成したミモレットまで幅広く対応します。中でもおすすめしたいのがボジョレー。若いミモレットとはお互いのフルーティーさを引き立て、熟成したミモレットとはお互いのスパイシーさや複雑な香りを引き立てます。ボジョレーと言うと、軽めの「ヌーヴォー(新酒)」が有名ですが、ヌーヴォーでない「ボジョレー・ヴィラージュ」は、より力強く複雑なので、ミモレットの熟成具合で使い分けるのもよいでしょう。
ポートワイン
甘口ワインは、ミモレットに限らずほとんどどのチーズとも合います。中でも特にミモレットと抜群に合うのがポートワインです。チーズの塩気とワインの甘味がいいコントラストになり、お互いのドライフルーツの風味と心地よい苦みとが完璧に寄り添います。ミモレットはできるだけ熟成期間が長いものがおすすめ。
サンデマン・ルビーポート(日本で一番売れているポート。初心者はまずこれから)
オレンジワイン
最後に紹介したい面白いワインが「オレンジワイン」です。オレンジワインとは、決してオレンジで造ったワインではなく、白ワインを赤ワインと同じ製法で造ることによって、果皮の色がよく抽出され、色がオレンジ色になったワインのこと。広い意味では白ワインの一種です。果皮も種子も丸ごと漬け込んで発酵させるので、赤ワインのような渋みも感じられ、その味わいは複雑で深みがあります。味わい自体、ミモレットとさまざまな接点がありますが、色がオレンジ色というのも大きなポイント。視覚は味覚に大きな影響を与えますので、オレンジ同士、よりマリアージュを感じられるでしょう。画像はココファームの甲州で造ったオレンジワインですが、他にもさまざまな国・地域でオレンジワインは造られています。是非お好みのオレンジワインを探してみてください。