シュークルートに合うワイン5選
「シュークルート」とは、フランス・アルザス地方の郷土料理で、塩でもんで発酵させたキャベツを、豚肉・ソーセージ・ベーコン等と共に煮込んだもの。ドイツ語では「ザワークラウト」で、本来は「酸っぱいキャベツ」を意味するだけの言葉ですが、フランスでは肉を含む料理全体を意味するようになりました。
ワインは、軽めの赤も合わなくはありませんが、おすすめしたいのは断然白です。アルザスの料理ですので、できればアルザスワインから選びましょう。ここでは、シュークルートに合うワインをご紹介します。
リースリング
一番にオススメしたいのが、アルザスの代表品種リースリングです。その豊かな酸味が、発酵キャベツの酸味と絶妙にマッチします。「酸味の強いもの同士で酸っぱくなりはしないか」と心配する方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。不思議なもので、酸味の強いもの同士を合わせると酸味はまろやかに感じられ、逆にお互いの隠れた甘味が浮かび上がってくるのです。また、リースリングのミネラルの風味は、豚肉のミネラルと調和し、肉の旨味を引き立てます。シュークルートに合わせるワインを考えるなら、リースリングはまず最初に考えるべき選択肢と言えるでしょう。
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ピノグリ
ピノグリもアルザスの代表品種の1つですが、こちらは前項のリースリングと対照的に酸味は穏やかで、厚みのある果実味が特徴です。ピノグリを合わせる場合、その果実の甘味が豚肉の甘味との接点になり、シュークルートと調和します。また、ピノグリは果皮に由来するほのかな苦みも特徴で、これはシュークルートの味わいをより奥深いものにしてくれる効果があります。
ゲヴュルツトラミネール
本場のシュークルート(発酵キャベツ)は、クミンやキャラウェイシードなどのスパイスを加え、香り豊かに仕上げるのが一般的です(ちなみに、アルザス名物のウォッシュチーズ「マンステール」にも、これらのスパイスを散らして食べます)。こういった香りの強いスパイスと抜群に相性がよいのが、ゲヴュルツトラミネールです。ゲヴュルツの特徴はライチやバラのような華やかな香りと、その奥に潜む白いスパイスの香りで、クミンやキャラウェイシードの強い香りと互角に並び立ち、お互いの存在感を際立たせます。また、ほんのり甘味を感じるくらいに豊かな果実味があるので、ピノグリ同様に豚肉の甘味とも調和します。
ジョンティ
「ジョンティ」とは、上に挙げたリースリング、ピノグリ、ゲヴュルツトラミネール等、アルザス地方の規定のブドウ品種のみを、厳格な規定の元にブレンドしたワインのこと。ここまでご紹介してきたように、アルザスのワインは、品種は違えども、それぞれの接点でシュークルートとマッチします。ならばジョンティだって合わないはずはありませんね。ジョンティの良いところは、さまざまな品種の味わいを楽しめるということと、手間がかかっている割に不思議なくらい安いということ。未体験の方は是非一度お試しください!
クレマン・ダルザス
料理とワインのマリアージュを考えるときに、ジョーカー的存在と言えるのがスパークリングワイン、特にシャンパーニュです。その理由は、普通のワインよりも豊富に含まれているアミノ酸が、さまざな食材との接点になってくれるということと、炭酸がさまざまな食材の風味とのバランスをとってくれるということが考えられます。そんなシャンパーニュと同じ製法で作られている、アルザスのスパークリングワインが「クレマン・ダルザス」です。ただでさえ守備範囲の広いクレマン、それがアルザスのブドウで造られたものですので、もちろんシュークルートとの相性は抜群です。