パルミジャーノ・レッジャーノに合うワイン5選
パルミジャーノ・レッジャーノはイタリアが原産のハードチーズ。最低12ヶ月、通常数年に渡って熟成させるので旨味が強く風味も豊か。非常に魅力あるチーズの一つです。ワインとの相性については、赤・白・ロゼ・スパークリング、甘口・辛口…非常に幅広くさまざまなワインと合います。はっきり言って合わないワインはないといってもよいほどで、選ぶワインは非常に迷うのですが、今回は自分が合わせたいと思う5種類のタイプのワインを厳選してご紹介します。
ランブルスコ
マリアージュの鉄則の一つに「地元の料理とワインは合う」というものがあります。イタリアのエミリア・ロマーニャ州のチーズであるパルミジャーノ・レッジャーノは、同郷の甘口スパークリングワイン、ランブルスコと好相性です。ワインのフルーティーな甘味がパルミジャーノの塩気とマッチすると共に、パルミジャーノのフルーティーさを引き立てます。
尚、ランブルスコの甘さのタイプには「セッコ」と「アマービレ」があります。「セッコ」は甘さ控えめ&アルコール度数高め(11%前後)、「アマービレ」はより甘め&アルコール度数低め(8%前後)です。甘口ワインは苦手という方もいるかもしれませんが、甘口ワインはパルミジャーノに限らずチーズ全般によく合います。是非試してみてください!
ネッビオーロ(バローロ、ランゲ等)
それでもどうしても甘口ワインが苦手で、普通の赤ワインを合わせたいという方には、イタリアの土着品種ネッビオーロを使った熟成ワインをおすすめします。ネッビオーロは、色が淡く一見薄いワインに見えるのですが、飲んでみると意外に渋味と酸味が強いのが特徴です。熟成によって真価を発揮するワインで、熟成すると渋味と酸味の角が取れ、スミレ、紅茶、タバコ、トリュフなどの複雑な芳香を醸し出す、魅惑的なワインになります。特に24ヶ月以上の熟成期間の長いパルミジャーノと好相性で、複雑な旨味がお互いを引き立てます。
ネッビオーロを使ったワインの代表は、「ワインの王様」と言われる「バローロ」です。パルミジャーノ・レッジャーノは「チーズの王様」と呼ばれることもありますので、王様同士という意味でもよいバランスと言えるでしょう。ただしバローロはそれなりにお高いものが多いので、予算を抑えたいときには「ランゲ」をおすすめします。カジュアルでありながら、ものによってはバローロを超えるポテンシャルを持つコスパの高いワインです。バローロにしてもランゲにしても、是非予算の範囲内でできるだけ古いビンテージのものを選んでみてください
シャンパーニュ(またはカヴァ)
パルミジャーノ・レッジャーノは非常に旨味の強いチーズですが、これは熟成中にミルクのたんぱく質がアミノ酸に分解されるため。一方、ワインで特に旨味が深いことで知られるのがシャンパーニュです。シャンパーニュは、「瓶内二次発酵」という製法で長期間酵母と共に熟成されるため、普通のワインよりもアミノ酸が多く含まれています。この旨味同士の両者、相性が悪いわけがありませんね。
シャンパーニュはその手間のかかる製法ゆえに全般的に高価ですが、是非予算の範囲内でできるだけ熟成期間の長いものを選んでみてください。または、安く済ませたい場合はスペインのカヴァを選ぶのも一つの手です。カヴァはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られていながらはるかに安価。庶民にとってはありがたい高品質のスパークリングワインです。
ロジャー・グラート・カヴァ・グラン・レセルバ・キュヴェ・ジョセップ・ヴァイス
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樽熟成したシャルドネ
ある程度熟成した良質なパルミジャーノ・レッジャーノは、熟したパイナップルやリンゴのようなフルーティーな香りや、ミルクの凝縮したバターのような香りがします。これらの香りとぴったり共通するのが樽熟成したシャルドネです。このタイプのシャルドネは基本的に温暖な地域で育ったもので、香りはまさに南国のフルーツの香り。そして乳酸発酵することによってバターやヨーグルトのような乳製品の香りが生まれます。パルミジャーノの風味とまさに和音的にマッチし、心地よい余韻を生み出すでしょう。
樽熟成したシャルドネを探すなら、手堅いのはチリです。1000円以上のチリシャルは基本的に樽熟成していると思って間違いありません。ブドウはまさにトロピカルフルーツを思わせる果実味があり、アルコール度数も高く、飲み応え抜群。それでいて価格は非常にリーズナブルです。その他、温暖な各地域で濃厚なシャルドネが造られています。「濃厚 シャルドネ 樽熟成」などのキーワードで検索して、掘り出し物を探してみてください。
オレンジワイン
近年世界中で注目されているオレンジワインもおすすめです。オレンジワインとは、白ワインを赤ワインと同じ製法で造ることによって、色がオレンジ色になったワインのこと。果皮も種子も丸ごと漬け込んで発酵させるため、色素だけでなくエキス分もよく抽出され、ナッツ、ドライフルーツ、紅茶 スパイス、ハーブなどの複雑な風味があります。パルミジャーノの若いものはそのナッツっぽさとよく調和し、熟成したものであればあるほど多くの接点が感じられるでしょう。
オレンジワインはジョージアが発祥で優れたものが多いですが、近年はそれに影響を受けたイタリアで盛んに造られています。また、日本には甲州という非常にオレンジワイン向きのブドウがあります。甲州は果皮が厚めで色も濃く、まさに果皮にこそ旨味がある品種。あまりエキスを抽出しすぎるとエグみが出ることもありますが、画像のシャトーマルスのものなどは上品にまとまっておりおすすめです。