エスカルゴに合うワイン5選
日本人にとっても馴染み深いフランス料理の一つ「エスカルゴ」。ブルゴーニュ地方の郷土料理で、ニンニク、パセリ等を練りこんだバター(エスカルゴバター)を殻に詰めて、オーブンで焼いて供されます。大変美味しいですが、決して高級な料理ではありません。むしろ前菜や大衆料理として親しまれている料理なので、合わせるワインもカジュアルなもののほうが釣り合うでしょう。ここでは、ブルゴーニュワインを中心に、エスカルゴに合うワインをご紹介します。
ブルゴーニュ白(シャルドネ・樽熟成)
冒頭でもご紹介したように、エスカルゴはパセリ・ニンニクなどを練りこんだバターと共にオーブンで焼かれます。パセリは白ワインのハーブの香りと共通しますので、エスカルゴと相性がよいのは基本的には白ワインです。また、バターの香りは樽熟成したワインの香りと共通しますので、樽熟成した白ワインと合わせるのが最適。そしてまさにそのタイプの白ワインが、カジュアルなブルゴーニュの白(シャルドネ)なのです。
シャブリ
牡蠣に合うワインとして有名なシャブリもブルゴーニュのワインの一つ。貝殻の化石が多く残る土壌でブドウが育つためミネラル分が豊富で、貝類全般とよく合います。実はシャブリにはさまざまなタイプがあり、生牡蠣に合わせるには、樽熟成しない酸味豊かタイプが適しているのですが、エスカルゴと合わせるならどんなタイプでも構いません。一般的な酸味豊かなシャブリなら、レモンバターソースで食べるような味わいになりますし、樽熟成したシャブリは上のブルゴーニュ白と似たようなバランス良い調和を楽しめます。画像の「ヴァンサン・ドーヴィサ」のシャブリは、ちょっとお高いですが、一般的なシャブリの良さに樽の風味がプラスされた、一味違うシャブリです。一度お試しください!
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クレマン・ド・ブルゴーニュ(スパークリング)
良く冷えた爽やかな白のスパークリングワインも、熱々のエスカルゴにはよく合います。シャンパーニュはもちろんよいのですが、ここはあえて、ブルゴーニュ地方で造られるシャンパーニュ製法のスパークリング「クレマン・ド・ブルゴーニュ」と合わせてみましょう。画像のシモネのクレマンは、シャブリ地方で造られる唯一のスパークリング。柑橘の香りの奥にあるナッツやトーストが香ばしく、シャブリらしいミネラル感は健在。これで2000円は安い!
ソーヴィニヨンブラン
ブルゴーニュ以外でオススメしたいのがソーヴィニヨンブランです。ソーヴィニヨンブランのハーブの香りは、エスカルゴバターのパセリの風味と合う間違いのない組み合わせ。ソーヴィニヨンブランは香り自体が強くインパクトがあるので、ニンニクの香りにも負けません。ソーヴィニヨンブランはニュージーランド産も有名ですが、フランス料理のエスカルゴですので、フランス・ロワール産のものと合わせてみましょう。画像のミシェル・トマは、どの銘柄を買っても外れのない、オススメの造り手です。
コトー・ブルギニョン(ピノノワール+ガメイ)
ここまでご紹介してきたように、エスカルゴは本質的には白ワインと合います。しかし赤ワインと全く合わないということでもありません。一つには、エスカルゴは魚介類の一種ですが、陸の貝なので、例外的に磯の香りがしないということ。また、スパイシーなニンニクが、どちらかというと赤ワインと相性のよい食材だということもあります。
ただし、赤ワインでも、あまり熟成されて複雑な味わいがあるようなものではなく、若くてフレッシュなタイプがよいでしょう。ブルゴーニュの赤の中から選ぶなら、いわゆる「ブルゴーニュ・ルージュ」(ピノノワール100%)もよいですが、それよりもおすすめしたいのが、ピノノワールとガメイがブレンドされている「コトー・ブルギニョン」です。ピノノワールだけでは上品にまとまり過ぎるきらいがありますが、フルーティーで華やかなガメイの香りがプラスされることによって、ニンニクのインパクトある香りと合いますし、大衆料理のエスカルゴと釣り合うほどよいカジュアル感を醸し出します。