トマトソース(トマト系料理)に合うワイン5選
トマトソースは、西洋料理、特にイタリアンでは欠かせない基本のソース。パスタはもちろん、ハンバーグのソースや、チキンやロールキャベツの煮込み、グラタンなど、さまざまな料理に大活躍します。トマトソースを使った料理にはやっぱりワインを合わせたくなりますよね。
料理とワインをペアリングするときの簡単な目安は「色を合わせる」ということ。トマトは赤いですので、やはり合うのは赤ワインということになります。ただし、トマト自体はあくまでもフレッシュな野菜ですので、赤の中でも基本的には軽めのものがおすすめ。そこを基準にして、トマト感が薄ければより白に近いロゼ、じっくり煮込んでトマト感が濃くなったものには濃いめの赤、というように調整するとよいと思います。
ここでは、トマトソースや、トマトを使った料理全般に合うワインをご紹介します。
プロヴァンスロゼ(淡めのロゼ)
トマト缶ではなくフレッシュトマトを使った料理や、煮込まずに和えただけのトマトソース、または比較的トマト量の少ない煮込料理に合わせるには、白ワインに近い淡い色のロゼワインがおすすめです。淡いロゼワインと言えばまず思いつくのが南仏プロヴァンスのロゼ。プロヴァンスには、ニース風サラダ、ラタトゥイユ、ブイヤベースなどトマトを使う郷土料理が多いですが、その軽いトマト感はまさにこのタイプのロゼワインとよく合います。
プロヴァンス ロゼ・キュヴェ・マリー・クリスティーヌ/Ch.ロムラード
(プロヴァンスらしさをよく表したロゼでコスパが高い。お洒落なボトルの形も魅力)
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ミラヴァル・コート・ド・プロヴァンス・ロゼ/ブラッド・ピット&ペラン
(ブラピが所有するワイナリー。ちょっとお高いが香りと味わいが複雑で味わい深い)
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タヴェル(濃いめのロゼ)
軽く煮込んだ程度のトマトソースに合わせる場合や、どちらかと言えば赤ワインを合わせたい料理構成だけど白ワインを合わせたい料理も一品があるような場合などは、濃いめのロゼワインを合わせるとより料理と調和します。そんな濃いロゼワインの代表格が、コート・デュ・ローヌ地方の「タヴェル」です。果実味豊富なグルナッシュを主体とし、力強いシラーやムールヴェードルなどをブレンドしているため、渋みやスパイシーさもあり、赤ワインが好きな方が飲んでも満足する飲み応えのあるロゼです。
ミディアムボディの赤ワイン(キャンティ/バルベーラ)
ある程度しっかり煮込んだ一般的なトマトソースで、肉が入っていないもの(ポモドーロ、マリナーラ、アラビアータ、ペスカトーレ、ボンゴレロッソ等)には、ミディアムボディの赤ワインがよく合います。ミディアムボディの赤ワインにもいろいろありますが、まずおすすめしたいのは、イタリアのキャンティです。キャンティには、トマトを思わせる香りと酸味があり、まさにトマトに合わせるためにあると言ってもよいくらいのワインです。ちなみにキャンティには、キャンティ・クラシコという上位版がありますが、このタイプのトマトソースには、むしろ1000円ちょっとのスタンダードなキャンティのほうが合います。
ミディアムボディの赤でもう一つおすすめしたいのは、イタリアのバルベーラという品種です。色は濃いのですが飲んでみると味わいは意外に軽やかで、渋みは控えめ。単体で飲むとちょっと酸っぱいと感じるくらいに酸味が豊かなのが特徴です。この酸味がポイントで、トマトソースの酸味と合わせると、不思議とワインの酸味は目立たず、むしろワインとトマト、お互いの甘味が引き立ちます。
キャンティ・クラシコ・レゼルヴァ
しっかり煮込んだトマトソースで、且つ肉を加えているもの(ボロネーゼ[ミートソース]、ラグーソース、アマトリチャーナなど)には、前項でご紹介したキャンティの上位版である、キャンティ・クラシコがおすすめです。より濃厚で力強いその味わいは、肉の旨味を引き立ててくれます。また、そのさらに上位版として、熟成期間の長いキャンティ・クラシコ・リゼルヴァもあります。角がとれ全体がまろやかにまとまり、その香りと味わいは複雑にして芳醇。とっておきの料理に合わせるときは是非選んでみてください。
キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ・ロッカ・グイッチャルダ/バローネ・リカーゾリ
(キャンティの元祖的存在リカーゾリの定番。コスパも素晴らしい)
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赤スパークリング
やや変化球ですが、赤のスパークリングワインを合わせるのも面白いです。赤のスパークリングにもいろいろありますが、概して軽やかでフルーティーな味わいのものが多く、トマトソースとは好相性です。またスパークリングがよいのは、キンキンに冷やすことができるということ。暑い季節や、アラビアータなど辛みのきいたトマトースと合わせるときは、常温の赤ワインよりは冷えたスパークリングを飲みたいですよね。
おすすめしたい一つはランブルスコです。甘口のものが多いですが、中には辛口のものもあり、食中酒として楽しめます。「セッコ」と「アマービレ」の二種類があり、辛口なのはセッコの方ですので、選ぶ際はご注意ください。造り手によってはセッコでも甘味が目立つものもありますが、例えばカビッキオーリなどはしっかり辛口です。
また、シラーズのスパークリングもおすすめです。ランブルスコよりも果実味が濃厚でスパイシーさもあるので、肉を使ったしっかりめのトマトソースによく合います。