和食に合うワイン5選
和食にはどんなワインを合わせたらよいかと悩む方が多くいるようです。一つポイントを挙げるなら、素材の持ち味を生かすのが和食の基本ですので、ワインも主張の激しすぎない優しい味わいのものがよいと言えるでしょう。塩で食べる料理なら比較的幅広い白ワインが合います。醤油をつかった煮物などは、ミディアムボディの赤ワインを合わせるのがよいでしょう。ここでは、管理人おすすめの日本ワインを中心に、和食に合うワインをご紹介します。
甲州
日本を代表する白ブドウ品種「甲州」。まろやかな果実味と酸味の中に、土壌や果皮に由来するほのかな渋みがあるのが特徴です。全体的には個性は穏やかなので、どんな料理にも合わせやすいですが、特に和食の塩味とは好相性。塩で食べる天ぷらや、魚の塩焼きなどと合わせると塩の旨味が引き立ちます。
一昔前の甲州ワインは「薄い」「水っぽい」という印象もありましたが、近年はレベルが高いものが増えてきました。特にオススメは、甲州の品質向上に並々ならぬ情熱を注いでいる「グレイスワイン」です。「グリド甲州」は果皮のエキス分をうまく引き出していて、複雑な旨味がたっぷり。予算に余裕のある方は是非「鳥居平畑 プライベートリザーブ」をどうぞ。管理人の知る限り現在日本最高の甲州です。
シャンパーニュ(シャンパーニュ製法のスパークリング)
シャンパーニュは、長期間酵母に触れて醸造されるために、他のワインよりも旨味成分であるアミノ酸がたっぷり含まれています。アミノ酸と言えば、和食の命である昆布出汁に含まれているもの。シャンパーニュは、和食全般と非常に相性がよいワインなのです。また、シャンパーニュには土っぽいミネラルの香りがあるので、根菜類とも好相性。特に若竹煮や筑前煮など根菜類の煮物と合わせると最高です。また、熟成してより複雑な枯れた旨味が出たタイプは、マツタケともよく合います。
シャンパーニュは全般的に高価ですが、たまに掘り出し物があります。画像の「ダルマンヴィル・ブリュット」は、シャンパーニュでは破格の約2000円。味も申し分ありません。あるいは、シャンパーニュと同じ造り方をしている日本のスパークリングと合わせるのも面白いでしょう。オススメは甲州ブドウで造った微発泡の「ペティアン・ド・マルス」。濾過していないので濁っていますが、その分旨味もたっぷり詰まっています。
ボジョレー
意外に思う方もいるかもしれませんが、「ボジョレー」は和食と相性のよい赤ワインの代表格。ボジョレー特有のイチゴキャンディーのような甘い香りは、肉じゃがや豚の角煮などの醤油と砂糖ベースの甘辛い味付けとよく合うのです。お馴染みの「ボジョレー・ヌーヴォー」でも十分ですが、新酒であるヌーヴォーの味わいに物足りなさを感じる方は、ヌーヴォーでない「ボジョレー・ヴィラージュ」をどうぞ。ワンランク上のボジョレーの美味しさを味わえます。
マスカットベーリーA
上でご紹介したボジョレーとよく似た特徴を持つのが、日本の固有品種「マスカット・ベーリーA」です。強いてボジョレー(ガメイ)との違いを挙げるとすれば、より香りに甘いニュアンスが強いということ。また、造りによって、軽いもの、濃いもの、樽熟しないもの、樽熟するもの、とボジョレーよりも味わいの振れ幅が大きいという面白さもあります。オススメはダイヤモンド酒造の「ますかっとべりーA プラス」。果実味に凝縮感があり、樽香・酸味・タンニンもバランスよく、ブルゴーニュのピノノワールのよいところを取り入れたような味わい。日本最高レベルのマスカットベーリーAです。すき焼きや照り焼き、味噌煮など、より濃厚な味わいの和食にも対応します。
ロゼワイン
ここまで白ワインと赤ワインをご紹介してきましたが、実際の食卓では、白ワインに合う料理もあれば赤ワインに合う料理もあり、白か赤か選ぶのに迷うこともあるかと思います。そんなときは白と赤の中間のロゼを選びましょう。ロゼというと甘口というイメージを持って敬遠する方もいるかと思いますが、画像の「シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ」などは完全辛口。伊勢志摩サミットでも振舞われた本格派です。また、個人的には「半辛口」程度の甘みがあるロゼも嫌いではありません。むしろ優しい甘味があるほうが、和食の甘辛い味付けとはよく合うと思うくらいです。いずれにしても、ロゼワインはとても守備範囲が広く、幅広い和食と合わせるのに重宝します。日本のロゼワインと和食のマリアージュを是非お楽しみください。